カルシウム

 育ち盛りの子どもたちの丈夫な歯や骨を作ってくれるカルシウム。日本人はカルシウム不足だと言われますが、欧米と比較すると土壌にカルシウム分が低いことに加えて、牛乳や乳製品の摂り方が少なく、運動不足などによるカルシウムの吸収力の低下が原因だといわれています。牛乳は母乳の成分にもっとも近いといわれますが、カルシウムの量に関しては牛乳のほうが4倍近く多いなど、カルシウムの補給にもっとも適しているといわれます。それはコップ1杯の200ミリリットル中にカルシウムが200ミリグラムも含まれていることに加えて、牛乳の中のタンパク質や乳糖などの働きで、吸収率が50〜70%と高いからです。ほうれん草などの野菜類が約20%、小魚類が約30%ですから、その吸収率の高さは、際立っています。ですからコップ1杯の牛乳で、1日に必要なカルシウムの量の3分の1を摂ることができます。カルシウムは骨や歯の形成のほか血液の凝固、ホルモンの分泌、免疫機能などに深く関わり、筋肉の収縮や心臓の鼓動を一定に保つという大切な役目も持っています。さらに神経の興奮を抑えるので、イライラや情緒不安定を防ぐのにも効果的。よく眠る前にコップ1杯の牛乳を飲むと安眠できるといいますが、その訳はこんなところにあるのです。人の体の中には約1キログラムのカルシウムが蓄えてありますが、その99%が骨や歯の中に含まれ、1%が血液や組織の中にあります。若いときから一定量のカルシウムを骨に蓄えておかないと、カルシウムの貯蔵庫の役割をしている骨がからっぽになってしまい、その結果骨粗しょう症などを起こしてしまいます。

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